小さな山の展望台
絵の先生と音信不通のまま翌朝を迎えた。
まず、ミナクイに、今日は走る分私と一緒に歩いてくれない?
と、お願いしてみた。
ミナクイは、いいよ〜と、優しく言ってくてた。
早く起きて、振り返るとずっとまともに
掃除機をかけていないことを思い出す。
朝っぱらから一気に掃除機。
二階への階段は、2階からぽんきちさんがかけてくれた。
嬉しかった。
車で10分ほどのところにいい感じに池と小さい山がある公園がある。
前も散歩して絵を描いてた場所だ。
今回は絵の道具は持ってきていない。
ぐるっと一周池を歩いて、山に上がることにした。
小さい山だけど、運動不足の私には結構きつい。
ずーっと先には展望台があって、ちゃっかり椅子まであった。
持ってきたコーヒーを出して飲んで、
ミナクイは、私の気持ちを聞いてくれた。
ミナクイ「今一番辛いのは絵の先生と音信不通で、この先教えてもらえないかもしれないってことだよね。」
ミナクイ「それはね、大丈夫。まだ僕は先生に教えてもらう気だから。どうしても。
でも、どうしてもだめでも、どこかで絶対絵を習うから。心配しないで」
ミナクイ「母さんの今辛いのは他にもなんかある?」
私「ミンちゃんが、薬を飲み始めたことで心が溶けて、辛いこと。寂しい事を感じるようになって、前とは違う辛さがあって、何もしてあげられない。 辛い。」
私は、ミナクイに聞かれて初めてミンちゃんの事を凄く心配で辛いんだって自覚したんだ。
これまでは、ミナクイやぽんきちさんの事が最優先でミンちゃんがマイペースにしてくれていることに甘えてたんだ。
早いもので一年が経ち5年生になる。
IQが低い訳でもないミンちゃんをなんとか少しでも社会に出て困らないようにしてあげたい。
ミナクイ「ミントは賢いからどこかで立ち上がって今の辛さも脱出できるよ。信じて待っていよう。」
ミナクイ「最後に街を一望して帰ろう。僕はかなりスッキリしたよ。」
私も広い街を見下ろしたけれど、絵の先生に噛み付いてる辛い気持ちは晴れなかった。
けど、前を向いていかないとなって励まされた。
展望台ではもう一件要件を済ませた。
ミナクイが高校に行くという中学校への連絡だ。
願書の提出準備をするという事でこの後中学校へ行くことにする。
噛みつかれてるまま、私も前に進む。